【PEAPとは?】

PEAPとはProfessional Environmental Assessment Protocol(専門的環境支援指針)の頭文字をとっています。PEAPは、施設に住まう認知症高齢者にとっての望ましい環境について、その考え方や具体的内容を示した指針です。認知症高齢者ケアについては、現在様々な考え方や支援方法が言われています。そのなかでもPEAPは、認知症高齢者を取り巻く環境についての支援方法を提案したものです。現場で、どのような環境設定をすればよいのかを考え、現状において足りないもの(考え方)や、反対に優れている点は何か?を知ろうとする時に役に立つ指針です。
・環境づくり.com 認知症ケア環境を変えたいと願う方々へ 引用


【PEAP日本版とは?】

施設に入居している認知症高齢者に対して、広い意味での環境支援を行うための指針です。 指針は大きく8つの次元により構成されています。8つの次元は、認知症の方への環境支援の柱(目標)となる項目です。また、それぞれの次元の下には、環境支援のポイントとなる中項目、さらに支援の具体例が記された小項目により構成されています。下の図に示すように、小項目は中項目を、 中項目は次元(目標)を、それぞれ達成させるための手段や考え方になっています。

・認知症高齢者への環境支援のための指針PEAP日本版3 2002-2005ケアと環境研究会 引用



【PEAP研修の目的】

私たちは毎日、物や人に囲まれ、におい、暑さ、寒さといった環境の変化を絶えず感じ、その中で生活しています。認知症の方々は、環境の変化に適応するのが難しく、また、意思表示が困難な高齢者の場合は、常に受け身の立場にあり、環境コントロールに他者の手を借りざるを得ません。認知症の高齢者は、環境の変化によりBPSD(認知症の人の行動・精神症状)が増大することも多く、変化していく入居者の状態や生活状況に合わせて継続的に環境改善を進めることが求められます。 継続的に環境改善を進めるには、施設内の課題に対し、チームで取り組むことが必要不可欠です。そこでチームの中心となり環境改善を進められる職員を育成し、継続的に環境改善に取り組む基盤をつくる事を目的としています。
※「PEAP研修の目的」については研修概要の中身を引用させていただきました。



【取り組み】

キャプション評価表を基に施設の課題を見つけてもらい、その課題に対してチームで取り組んでいただき、より効果的な環境改善に繋げる取り組みを行っています。



【研修の様子】






【研修実績】

開催概要はこちら
・研修日と参加人数
  • 第1回目:6月24日(月)16:00~17:30(参加人数:15名)
  • 第2回目:8月26日(月)16:00~17:30(参加人数:13名)
  • 第3回目:10月28日(月)16:00~17:30(参加人数:13名)
  • 第4回目:12月23日(月)16:00~17:30(参加人数:14名)



【事 例】

下記をクリックでキャプション評価表とキャプション評価表(環境整備後)ご覧になれます。

研修を受けての感想

今回の研修でなぜ植物が置いてあると良いのか。ストレスには快ストレス・不利益ストレスの2種類があること。 入居してくる方はテリトリーを失った状態である、という事を学ぶことが出た。環境とは何かを考えるいい機会になった。 他事業所のキャプション評価表を見て、自分の意見を伝えた時、なぜそうするのかを説明できた。自分の事業所のキャプション評価表も自施設スタッフとは違った目線で意見を頂いたので新鮮で良かった。

今回、PEAP研修全4回参加させていただきありがとうございます。 講義の中では、PEAPの視点と環境が認知症の入居者に与える影響を学ぶことができました。 ユニットでは特に、リビング玄関を中心に環境整備を行っていきました。 研修のチームの方々に「自分の施設ではこうしています」とヒントをもらい、毎回少しずつ改善を実施しました。小さなことの積み重ねが大切だということがわかりました。今後も研修で学んだことを実践し、暮らしやすいユニットづくりを目指したいと思います。

今回の研修を通して、講義では色々な環廣整備などの仕方や 方法などを知れて、当ホームの環境整備もスムーズに行うことができ、良かった。 また、他施設での環境に対しての問題点を知ることができ 情報交換する機会もあったので、他施設の職員から意見を開くことが できたので、参考になった。 入居者に合わせた環境作りの大切さを学ぶことができ、勉強になった。

グループワークをするで、自施設でも活用したいと思う事がありました。また、再度ユニット内の環境について考える時間となり、今後も、入居者の方にとって、より良い空間作りを行っていけたらと感じました。 講義の内容も、色々な視点から学ぶ事が出来ました。環境を考える事で、入居者1人1人の生活の見直しを行っていきたいと思います。

この研修で工夫が出来る場所を探してみると、色々とありましたが、実際に改善できることは少ないと感じました。 講義では、プリントも用意してくれて、わかりやすく説明してもらいました。 観葉植物の設置によって期待できる効果などは、ためになりました。 グループワークでは、自分では出ない案なども出してもらえたので、参考になりました。

4回を通して、まず講義は、資料もあり、とてもわかりやすかったと思います。 実際に現場で環境整備を行ってみて、様々な視点から物を見る機会になって、とても良かったと思います。 あと、グループワークも様々な意見が聞けて、参考になって良かったと思いました。

議案の内容は、自分で調べようとしなければ知る機会の無かったもので非常にためになった。 業務中に漠然と思っていたことに対しての答えとなるようなものもあって良かった。 実録に自分の施設で取り組んでみて、普段の環境について改めて考えてみる機会となり、全てが良い経果にたどりついたわけではなかったか、新たな課題や気づきを得らえた。 他の方の取り組みから意外な解決法を聞けたり、工夫の仕方を聞けたのも良かった。

4回研修を行い、回を追うごとに少しずつではあるが実際に改善することが出来た。 いろいろな人から、意見をもらうことで、自分では見えなかった部分が出て、改善につながった。 今後もPEAPという視点を知ることによって、改善方法をユニットで活かせると思った。 講義は短的に物や環境が人にあたえる影響等を知ることも出来たが、もう少し深く話あっても良かったと思う。

PEAPは、しっかりとした知識のない中での研修だった為、講義を受けていくうちに理解する事ができ、自分のユニットではどうだろうと考える事が多かった。 いつも何気なくユニットで仕事をしていた為、どう環境を変えたらいいかといった考えがなかったが、研修を受け、ささいな事でも気になるようになり、次回の研修で気になる箇所を持っていき、グループワークで色々とアイデアをもらい、とても参考になった。 他の施設の取り組みとかも見られてよかった。

実際に写真を撮り、職員間で話し合う機会ができ、改善につながっていった。また、他の施設の環境や意見をもらうことによって様々な視点の意見を聞くことができ、自分のいる施設の環境の見直しにつながっていった。また、他の施設での困難ケースの話を聞くことができ、困難ケースへの対応にもつながっていく。 講義の中で、植物等のものがあることによって、利用者のストレス軽減等につながっていくというものがあった。それまで施設に植物が置いてあったが、あまり意味を考えずに見ていたが、この講義を受けることで、意味や効果を正しく理解することができた。また講義内容を周知していくことで、周りの職員からの意見も少しずつ増えており、様々な視点から環境を見ることができるようになったと感じる

施設内のハード面の変更はなかなか難しい部分があると感じた。 やはり、一番の課題は、サービスステーションまわりの設えだと考えられるが、その場所に集まる利用者の多さから、ソファーやテーブルに設置しづらいのが現状であり、利用者さんに対するスタッフの関わり方(生活の過ごし方)から変えていく必要があると感じた。 他施設の従来型特養、ユニット型特養のスタッフと同じグループとなり、意見交換ができたことで、少し視野が広がった。今後にも活かしていきたい。

施設内のハード面の変更はなかなか難しい部分があると感じた。 やはり、一番の課題は、サービスステーションまわりの設えだと考えられるが、その場所に集まる利用者の多さから、ソファーやテーブルに設置しづらいのが現状であり、利用者さんに対するスタッフの関わり方(生活の過ごし方)から変えていく必要があると感じた。 他施設の従来型特養、ユニット型特養のスタッフと同じグループとなり、意見交換ができたことで、少し視野が広がった。今後にも活かしていきたい。

講義について…

  • 知らない単語がいくつもあり、勉強になった。
  • 内容的にも根拠を感じられるものだった。

取り組み、グループワークについて…

  • 複数回に分かれていることで「一度に解決しなくてもいい」という気持ちで取り組めた。
  • 他事業所の仕事の様子を聞くことが良い気分転換になった。
  • 同じメンバーで話し合いできると「以前の〇〇はどうなったの?」というような会話も広がり、有意義なグループワークになったと感じた。
    計4回に渡るPEAPの研修で何気なく自分自身が過ごしてきた環境を改めて見つめ直すいい機会となりました。季節ごとでの環境変化は以前からあったものの、日常での空間の工夫はほとんど皆無だったので、職員での話し合いの機会や、レイアウト変更の実施をすることが出来て、良かったと思います。
    講義の内容に関しては、非常に興味深い内容の題材が多く、勉強になったものの、ひとつひとつの題材に対しての内容が少し足りないように感じ、もっと深い部分まで、見識を深めたいなと思った部分もありました。4回の研修を通して新しい環境づくりへの見直しができ、今後も活用し、よりよい施設にして行きたいと思いました。
    4回の研修を受け、今まで気付かなかった部分や、他の施設やグループホームの環境整備のあり方が勉強になり、今後も良い部分を取り入れて行こうと思いました。
    講義も解りやすく、夢中になる課題でした。
    今回の環境整備は、脱衣場でしたが、色々な場所の生活環境づくりを行っていきたいと思います。